分権型社会の創生と市民協働について (平成21年3月4日)

平成21年第1回定例会一般質問 6番(伊藤彰議員)

おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、6番、未来フォーラム、伊藤彰の一般質問をさせていただきます。

本日の一般質問は、当初元気大学と地域認知症ケア、この2点について、質問を準備してまいりました。しかし、より掘り下げて考えていくうちに狭山市全体の地域社会やこれからの分権型社会にあっては、狭山市はどういう道を歩んでいくのか、そのような総合したテーマがあることに気づきました。そこで、まずは市長に表題のとおり、分権型社会の創生と市民協働についてと題しまして、ご質問をさせていただきます。

市長は就任以来、元気な狭山をみんなでつくると説いて、市民協働の必要性を訴えていらっしゃいます。私も多く共感するところがあります。私は平成12年6月定例会で前任の町田市長に対して、ヨーロッパ型の分権社会は補完性の原則、サブシディアリティーにのっとり運営されており、日本の分権社会でも自分たちの地域は自分たちでつくるという気概に基づいて運営されるべきではないかと申し上げました。本来は、そのような市民力が地域政治の中心にあるべきではないかと考えております。

また、平成18年9月定例会では仲川市長に対して、アメリカの社会学者シェリー・アーンスタインの「市民参加の八つのはしご」という考え方を紹介しながら、本当の意味での市民参加とは、いまだ道のりは遠いけれども、市長の提唱している元気な狭山をみんなでつくるとの政策課題は何か、と質問させていただいております。本日は、それらの質問を踏まえて、これからの狭山市全体の地域社会のあり方について質問いたします。

市長は元気な狭山をみんなでつくるとの立場から、これまでも地区センター構想を具現化し、さらに今般、元気大学の設置にご尽力されておりますが、将来ビジョンとして狭山市の地域社会、地域政治のあり方については、どのようなイメージをお持ちでしょうか。私は例えば入間川は入間川の人々が、入曽は入曽の人々が、堀兼は堀兼の人々が、奥富は奥富の人々が、水富は水富の人々が、そういった地域の人々によって地域にかかわるまちづくりを地域でさまざまな活動をされている方々の思い、構想、理想を練り上げて、皆さんで話し合い、決めていっていただく、そのような地域社会でありたいと考えております。学校のことや自治会のこと、福祉、消防、防犯など地域で活躍されている方々には、少なくともお互いの役割と地域社会全体にかかわる課題についてみんなで話し合い、地域の道路整備、公園整備、公共施設の利活用のあり方や管理、その地域のまちづくりについては、地域であらゆる視点で検討していただき、将来ビジョンについても地域の皆様の共通の認識の中で進めていただく。

また、時代の変遷の中で新たに生ずる行政サービスについては、まず地域の中でできることはないかご検討をいただき、場合によっては住民、市民の手でNPO法人を立ち上げるなどし、お互いに地域社会に役立つことを行っていただく、行政はそのような新たなサービスがスムーズに運営できるように手助けをしていく。

また、行政こそ行うべき政策課題については、地域の意見に基づいて立ち上げていく。

さらに、狭山市全体にかかわる少し次元の違うことについては、地域の皆さんの意見も聞きながら、執行部や議会でよく審議し、決定し、行政の手で実施していく。そのような相互補完性のある社会にしていく必要性を感じております。地域の皆さんがまず地域の問題を協議していただくことで、狭山市全体の行政をよく理解できます。狭山市全体の財政状況、国や県の仕組み、地域の具体的問題を通じて、そのときそのときにかかわったさまざまな方々が同じ地域で生活しているという1点で隔たりなく集まり、共通の認識を持っていただくことができると思います。そうすることによって、まさしく主権在民の地域社会、地域の政治システムが具現化していくのではないでしょうか。そして、それは狭山市全体に通ずる大きな政治改革につながると考えます。そういう社会であれば、いわゆる扇動政治は通用しなくなります。

また、常に多くの課題が存在する地域が原点ですから、縦割り行政の弊害も抜本的になくなるのではないでしょうか。

さらに、日々の市民の努力もまた職員のご尽力も常に相互に理解できる状況になるのではないでしょうか。自分たちのまちは自分たちでつくる、このような狭山市民の気質づくりが必要な時代になってきていると思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

そのような意味で地区センター構想の強化、機能強化についてご質問いたします。

まず現在、地域づくりのために各地区にまちづくり協議会があります。その機能強化を図り先ほど申し上げた地域の核となる総合的な市民会議を常設されてはいかがでしょうか。地区センターの強化の視点で市長にお尋ね申し上げます。

さらに、さきに述べた地域にかかわる事業については、常設の市民会議の場で協議していただき取りまとめていただく、こういったところができますと当然参加される方には十分な費用弁償も保障する必要があると思いますが、やはり市民の皆さんの参加を求め常時ご協議いただくのであれば、予算編成にも確実に反映できるシステムが必要だと思います。既に、視察した福岡県宗像市においては、そのようなシステムが始まっております。このような地域社会の皆様が自分たちの思いで夢と希望を持ち、元気に活動される地域社会の創生に取り組まれることをご提案いたしますが、市長のお考えはいかがでしょうか。