消防力の強化と女性消防団の設立について (平成20年9月8日)

平成20年第3回定例会一般質問

消防力の強化と女性消防団の設立について 6番(伊藤彰 議員)

おはようございます。未来フォーラムの伊藤彰でございます。議長のお許しをいただきましたので、私からの一般質問をさせていただきます。

まず初めに、消防力の強化と女性消防団の設立についてです。

消防団の任務は、市民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災または地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するということですが、特に昨今では、大規模災害への対応で、地域密着性と要員動員力を生かした活躍が期待されています。阪神・淡路大震災において、消防団は消火活動、要救助者の検索、救助活動、給水活動、危険箇所の警戒活動など幅広い活動に従事しました。特に、日ごろの地域に密着した活動の経験を生かして、倒壊家屋から数多くの人々を救出した活躍には、目覚ましいものがありました。こうした活動により、地域密着性や大きな要員動員力を有する消防団の役割の重要性が再認識されていることは、総務省の文書等でも紹介されております。

しかしながら、現在、消防団員は、かつて比較的若年層が中心でしたが、近年30歳未満の団員の割合が減少する一方で、40代や50代以上の割合が増加するなど、高齢化が進行しています。また、団員の職業構成は、かつて自営業者などが中心を占めていましたが、サラリーマンである団員の割合が増加しており、消防庁の全国のデータによりますと、昭和43年のサラリーマンのシェア率が26.5%でありましたが、平成18年には69.4%に達しております。このような団員数の減少と団員構成の変化が消防団の運営に影響を及ぼしており、適正な規模の活力ある消防団の確保をいかに図っていくかが、狭山市においても課題となっております。

平成20年度で、狭山市の消防団員数は、定員の333名を大きく下回り、297名で、充足率で89.18%と10%以上もの定員割れを来しております。今後、特に大規模災害時の対応能力について、定員割れによる低下が懸念されていると言わざるを得ません。市長及び消防長は、消防団の定員の充足についてどのようにお考えでしょうか。

県下の消防組織各ブロック、各支部ともに定員割れに苦慮しているところですが、近年、全県で女性消防団の設立が定員充足の一つの改善策として取り組まれ始めており、狭山市の所属する県下第2ブロックの各消防団でも、既に川越支部で18名、所沢支部で20名、坂戸支部で15名、入間東支部で14名、比企支部で17名、西入間支部で8名、埼玉西部で7名の女性消防団員がそれぞれ活動しており、第2ブロックでは、設立していないのが狭山入間支部の両市となっております。既に一般的には、狭山市も女性消防団の設立を検討していることと存じますが、その必要性について、いかがお考えでしょうか。女性消防団の設立は、男女共同参画の視点からも、消防団の定員充足の視点からも設立が急がれると考えますが、お考えはいかがでしょうか。

私は、女性消防団を設立することの意味は、とても大きいと考えております。ただいま男女共同参画の視点と申し上げましたが、初めに述べたとおり、今日、特に大規模災害への備えとして、消防団そのものへの期待が高まっております。防災と災害時の備えと対策は、男と女の隔たりはなく、ともに家庭で、社会で取り組まなければなりません。地域で総合的に防災を考えていくためにも、女性の視点が必要なのではないでしょうか。まちの中に、災害対策と防災活動の民間のエキスパート、女性のエキスパートが必要だと考えますが、ぜひ設立に向けて動き出されることを期待いたします。市長及び消防長のお考えをお聞かせください。