自治体への信頼性について (読売新聞調査2月8日) (平成18年3月7日)

平成18年第1回定例会 一般質問

1,自治体への信頼性について (読売新聞調査2 月8日)

①地方分権の時代狭山市の市政の考え方

「元気な狭山をみんなで作る」をスローガンに日夜市政にご尽力いただいている仲川市長。

本日の私の一般質問は、全国の自治体が、重苦しいような閉塞感を抱えている中で、2月8日付けの読売新聞記事を題材とし、市長の所見をお伺いすることといたします。


まず同新聞社による調査の手法についてですが、同社は、1月21日22日の両日、全国一斉に「地方自治に関する」世論調査を行い。全国250地点で有権者3000人に対し、戸別訪問面接聴取法によって行われております。


さて、その世論調査の特徴的な部分について申し上げます。


まず、同社は冒頭ヘッドラインで「自治体への信頼性低く」と主張しています。

調査によると、住民の意見が行政サービスに反映されているかとの問いに、反映されていないとの答えが61.8%と高く。満足していない行政施策は 第一に「地元の景気」で27.4% 続いて 「交通・道路」などの都市基盤整備が26.3%と続いております。


また、地元の市町村が国から移譲される権限や財源を効果的に使うことができるかとの問いには、効果的に使うことが出来ないとの解答は43%であり、できるの41%を上回りっています。

「権限や財源を効果的に活用できない」とするその理由は、財政難が44% 職員の意欲や能力が43% コスト意識の欠如が41%という結果が報じられています。

また住民税などの負担に、見合うだけの行政サービスを受けていないとの解答は57.5%と高く、特に若い世代である30歳代では70%達していると報じられました。


記事の中で前埼玉県志木市長の穂坂邦夫氏は、自治体は長い間の中央集権体制の中で「思考停止」になっていた。市民も、国の小粒なのが県、県の小粒なのが市と言う意識が強く「市町村は独自に動けない」・・あてにしていない面もあるのではないかと指摘しています。


さて、私は冒頭「全国の自治体が重苦しい閉塞感を抱えている」と申し上げましたが、まずこの調査は、国民の世論としてそれを裏付ける結果となっています。


ここで、議員である私の目から見た、自治体の側からの見方ついても延べておきたいと思います。

地方分権一括法は、平成12年4月に施行し地方自治体と国との関係を上下主従の関係から対等、協力の関係とし、様々な権限を自治体に移譲し、三位一体の地方財政構造改革の中で補助金や地方交付税を削減する一方、税源を移譲すると言うものであります。

しかしその実体は、税源の移譲と言ってもこれまで4兆円であった国の資金を、3兆円とし1兆円も縮小するものであり。見方によっては、600兆円という財政赤字、国の財政破綻を地方に添加するものではないかと言う見方もあります。自治体の側から見れば国に強いられた閉塞感とも言えると思います。


もちろん市民としても自治体としても国を破綻させるわけには行かない訳ですから、これからは出来るだけ様々な権限を得、自由に政策選択の出来る環境を作り、独自にも財源を確保して、地域として自立していかなければならないと考えます。


そのような時代になってきたからこそ、重苦しい閉塞感をかもし出している自治体の進路にあって、立ちこもる霧を払いのけ、将来に向かってこの地域はどうあるべきなのか、狭山市はどのような方向に向かっていくのか、これまでの市とこれからの市はどう変わっていくのか、あるいは変えていくべきなのか、その点について市長の包括的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。


②行財政改革と分権社会での経営方針

このような課題の中で、いま国から強いられた財政難というお話もいたしましたが、市民の立場からすれば財政難だから、だけでは納得できない事が多々ある状況は同紙の世論調査からもうかがえます。

狭山市も、またここ数年で仲川市長と共に大きく行財政改革の著に突いてきたと考えますが、支出を縮減したり、市民にご負担を願って行くにしても、やはりどういうやり方に変えていくのか、どういう目的のために変えていくのか・・・と言う点については、もっともっと説明が為されていかなければならないと考えます。

どういうやり方で、何のために、と言うことについては、やはりどういう地域に、どういう都市としていきたいと言う明確な目的地と海図が必要です。

これからの分権社会、地域と市町村の自立の方向性を指し示す経営方針は市長は一言で言うとどういうものをお考えでしょうかお聞かせいただきたいと思います。


③情報公開と市民参加

次に、同紙の記事のなかでは、行政への信頼が問われている状況下では、自治体の側の意識改革と住民自治の充実の両面をもとめいています。

これからは、分かりやすい情報の公開と多様な住民参加の工夫を進めると共に住民の側も参加意識が必要であると指摘しています。

市長の問うている、「元気な狭山をみんなで作る」と言うスローガンは、私はその点についても意味が込められていると考えます。

分かりやすく、市民の参加意識を醸成するような情報の公開とは、もとめに応じて可能な限り情報を提供するという、現在の情報公開条例の仕組みから一歩進めたものが問われているように感じます。

現状はともかく、これからの課題として市の情報公開のあり方についてお考えをお聞かせ下さい。


また、多様な市民参加の方法について、市長はどのような手法をお考えでしょうか、「元気な狭山をみんなで作る」との市長の理想とはどのような形なのかお聞かせいただきたいと思います。


私は、昨年の9月埼玉県、及び狭山市など6団体の後援を得て開催された、ハイドパークミュージックフェスティバル2005に一実行委員として参画しました。この運動は、これまでの商業ベースではない、地域の市民の実行委員会によって開催された、今日の音楽業界にあっては、きわめて数奇な事業でした。

そもそもの始まりは、70年代初頭狭山市や入間市に住まわれていた著名な音楽家と地域の方々が、是非とも狭山のすばらしい稲荷山公園で当時を偲び音楽祭を実現したいと言う声を元に始まったものです。すばらしい狭山のハイドパークをいい環境で残していきたい、事業で収益がでたら是非、稲荷山公園の施設整備のために活用していただきたいと言う目的で、開催を目指しましたが。

当初は歯医者さん電気工事屋さん自転車やさん、音楽ライターなど私も含め興業とは全く縁もない20人足らずの人々の集団、そのような実行委員会が、資金0で3000万円を超える規模の事業に取り組むこと自体無謀と思われました。

実際当日開催にこぎ着けるまでは、実行委員一人50万円の負担するほどの赤字も予想されるほど厳しい状況でした。

実行委員会とボランティアはとにかく期待を込めて集まられる、来訪者の皆さんがっかりしてお帰りになることの無いように、最善を尽くしました。


結果、同事業は、150名を越える無償ボランティア協力の中、2日間で4800名の有料入場者を得、北は北海道、南は沖縄までの音楽ファンが集まり、来訪者は、実行委員長の麻田浩氏をはじめとする地元ゆかりの著名な音楽家など19組もの方々の御協力と演奏のなかに、狭山と稲荷山公園の音楽をすばらしさを満喫してお帰りに成られました。

さらに、この音楽祭はメインテーマとして「キープクリーン・キープグリーン」を掲げ市内小・中学生の協力も得、代表の女子中学生からは、地球環境の保護と同公園の緑の保全が全会場内に訴えられました。

そのテーマのもと、会場内では、30名のクリーンボランティアを配置し、この様なイベントとしては、これまでになかった徹底したゴミの分別収集を実現しました。空き缶やペットボトルはもとより、廃プラスティック、残り汁、生ゴミなどにゴミは7分別し、生ゴミはコンポストにするために分別回収が促されました。

実行委員会の取り組みによって会場内を埋めつくしたロックファンは、自らペットボトルをキャップとラベルに分け、完全な分別に協力してくれました。

この取り組みは、今後の様々なイベントにおけるゴミ回収について、大きな可能性と問題提起となっていると考えます。


また、共催のFMナック5とご協力いただいたフジテレビや狭山ケーブルテレビにより周辺地域と全国に発信され、今日音楽業界では、ハイドパークの音楽祭が既に伝説化し、市民団体が非商業ベースで開催し成功を収めたことで、今日大手音楽会社所属する流行音楽だけがもてはやされている状況から、まったく違う切り口が掘り起こされる可能性として、今後の新たな展開について待望の声もあがっております。

本事業の開催については、公園使用はもとより、ご後援をいただいた埼玉県、狭山市及び関係団体、機関には広報宣伝をはじめ様々な形で御協力いただけたことにあらためてこの場をお借りして感謝申し上げたいと思います。

市長、私は、かねてより市民のやる気を大切に市民の思いを実現できる市政こそ「元気な狭山をみんなで作る」との答えではないかと、この議場で提起し、仲川市長の御協力で、その一つの答えを出し得た想いですが、この様な事業に対する、これからの市の姿勢も含めて、多様な市民参加についての市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。