三市消防の合併について (平成16年9月3日)

平成16年第3回定例会一般質問

3.三市消防の合併について


次に、狭山市、入間市、所沢市の3市消防組織の統合についてご質問いたします。先日、市議会の全員協議会において3市消防の広域事務組合化について最新の報告がありました。私は、現時点で執行部の報告は十分ではないと考えております。


そこで、昨年9月の一般質問の中でも申し上げましたが、この3市の合併は狭山市の消防組織にとって本当にメリットがあるのか、市町村合併で2市の合併に取り組んでいるさなかで消防組織だけ切り離し、新たに3市の広域事務組合を設立することが狭山市と狭山市民にとって必要なことなのかどうか。前回の質問でお示しした点を含めて、改善点を明らかにしていただきながらお答えいただきたいと思います。


まず、現場の火災原因調査体制の強化について。

火災原因調査体制の強化が消火体制や消火方法にどのような変更を求めてくるのでしょうか。所沢市との比較検討については、現在行っているのでしょうか。また、事前の対応をどうしていくのか、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。


平成13年3月30日、総務省消防庁長官の通知の中で、市町村合併の中でこそ広域化を図るべきとの方針の明確化がありました。そのこととの矛盾についてはどうお考えでしょうか。その中では、費用的にも広域事務組合の方が大きいとされ、行革効果は市町村合併によるものの方がすぐれているとの記述もあります。その点についてはいかがでしょうか。大規模災害時に各種の防災体制と統合された消防本部とで指揮系統や緊急対応に混乱を生ずる懸念が指摘されております。その点の解決策についてはいかがでしょうか。


これらの点について、現時点での進捗状況と、また全体のこれからの行程をあわせて説明を求めたいと思います。また、今後の3市消防組織の統合については、特に所沢市の消防本部機能更新事業と時期が重なり、狭山市にとっては行革効果というよりも予定以上の費用を負担する状況が発生する懸念もあります。ここで、今回の3市の広域事務組合化設立にかかわる費用と損失を挙げていただきたいと思います。


まず、幾つかの点については、私の方からお尋ねいたします。

1つ目、所沢消防本部の改修事業の狭山市の負担について、2つ目、消防緊急通信指令施設の更新整備の狭山市の負担について、3つ目、消防広域ネットワーク構築にかかわる狭山市の負担について、4つ目、3市間の待遇格差改善に伴う狭山市の負担増について、その他の新システムの導入に伴う狭山市の費用負担について、以上のものを含めて3市広域化に伴う費用負担は、初期投資としては狭山市の負担の合計はどの程度のものになるのでしょうか。また、既存システムの廃止に伴う狭山市の損失についてはいかがでしょうか。償却期限前に統合によって廃止となるということになれば、それは損失として考える必要があります。既存のシステムはどの程度使えなくなるのかお示しいただきたいと思います。


狭山市の消防本部庁舎の何フロアかが不要になるという見方があります。不要な施設となるのであれば、建物の償却期間はまだ終わっておりませんので、それも損失としてお示しいただきたいと思います。同じように、狭山市保有の消防車両の他市への分散配置が発生するのであれば、それもまた損失として計上していただきたいと思います。車両の廃止、または消防車両の他市への分散配備、これらがある場合の車両の減価償却の残存価値、これの合計も示していただきたいと思います。これらの損失について、これ以外も含め、同じような視点で合計をお示しいただきたいと思います。


さらに、経常的な経費の比較でございます。現在の消防にかかわる経費と3市統合広域事務組合の移行した場合の経費の比較について、どのような差異が生じてくるのか。財政運営的な見通しについてもご検討されていると考えますので、お示しいただきたいと思います。


広域化については、幾つかの点で問題があると指摘してまいりました。具体的対案として、入間市との市町村合併に伴い、2市の消防の統合を提案してまいりました。それについては、どのようにお考えでしょうか。また、3市の消防の広域化を進めるのであれば、少なくともただいま申し上げた点について明らかにする中で、3市統合のメリットがこれらのデメリットを上回るのかどうか明確にしていただきたいと考えます。


これらの点について、きちんとしたプランのないところでは、一般的に合併は有利と念じていたとしても、絵そらごとになることさえ想定されてしまいます。くれぐれも合併に際しては、これらの点の検証をお願いしたいと思います。


その上で市長、現在強力に行財政改革を進めているさなかにあって、3市の広域事務組合化の設立が不合理なものであるとすれば、白紙に戻す勇気が必要と考えます。何事においても、合併とは相手があって初めて成り立つことです。こちらの思惑だけではなく、相手の考え方の中に違ったものが進んでいるとすれば、それは考えものです。市長は、行財政改革という大きなテーマをもって行政に臨まれておるわけですから、仮に他市が狭山市の財源を当てにすることばかりお考えであったり、その行革の目的をあいまいにしたり、結果として行革とは全く違う方向に進むとするのであれば、当然進む話も進まなくなるということをお伝えしなければならないと思います。消防3市の合併という課題については、どちからというと、消防力の強化という点に力点がありました。それはそれで、私は大変必要なことと考えております。今後、それだけにとどまらず、行革という視点も明確にし、取り組んでいただきたいと思いますが、最後に市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


以上で私の1回目の質問を終わります。どうもありがとうございました。