大規模地震の消防団の役割について (平成15年12月5日)

平成15年第4回定例会一般質問

大規模地震の消防団の役割について

次に、震災時の大規模災害における我が国の危機管理については、既に大規模地震対策特別措置法に基づいて定められているところでありますが、市においても平成11年に地域防災計画が策定され、消防団の活動についてもその大枠が定められました。それに基づいて、現在消防団各分団に地震対応マニュアルの素案が提示され、消防本部を初め、各分団において検討されていることと思います。

私は、一消防団員としてその活動に係る立場から考えますと、万が一大規模災害が市内で発生すれば、団員は犠牲的精神をもって懸命に活動を行うと確信いたします。災害時等の非常時、その地域に基づいた活動ができるだけ有効に、また的確に機能するように、あらかじめ体制を整えておくことが大変重要であると考えます。そのような意味で、幾つか質問をいたしたいと思います。

日本災害情報学会によりますと、現在の地震法に基づいた判定会招集情報は、招集してそれから時間をかけて科学的調査検討を加え、警戒宣言を発令するというよりも、雪崩に例えて言えば、既に山の頂上で雪崩が始まったという情報に基づいて招集されるようです。したがいまして、判定会招集情報というのは、かなり近い時期に大震災が起こる得るということになるわけでありますが、まずその判定会招集情報の段階で各消防団員が招集されます。この段階での招集は、かなり緊迫感のあるものですから、そのときの消防団は何を準備するのか、まずできるだけ具体的にお示しいただけるよう検討していただきたいと思います。

通常、判定会招集から警戒宣言の発令まで、さほど時間はかからないと思われますが、警戒宣言が発令された後、消防団は直ちに広報活動を開始いたします。警戒宣言から震災発生時まで、ある程度時間があるようです。広報活動等、必要な活動を遂行した後に、団員はどうすべきなのでしょうか。

車庫にて集合し警戒待機するよりも、むしろ自宅に分散し、まずは各自家庭の安全確保に努めるべきではないかと思います。この点については、団員はほとんど家庭の働き頭であり、いざというときに団員が家庭にいないというのでは、各家庭の安全が保たれません。団員としても、みずからの家庭の安全が確保されなければ、震災発生時、さまざまな活動をするにしても、その士気に大いに係ると思います。この辺は消防団とも協議し、明確にしていただきたいと思います。まずは、自宅周辺の災害状況について確認するチェックリストをあらかじめ策定する必要があります。この部分については、警戒宣言のあるなしにかかわらず、大規模災害全般における心構えとして、消防団員は災害時いかなる情報を収集して参集すべきか、十分に各分団で検討する必要があるのではないでしょうか。参集ルートなども決めておく必要があると思います。

そして、災害発生時、各分団はまず参集時からその任務が始まるわけでありますが、緊急事態について伝令する方法も、あらかじめ複数用意する必要があると思います。団員個々の動きと情報を災害対策本部がいち早く把握するためにも、電話、伝令以外に携帯電話メールの活用も検討いただきたいと思います。また、大規模災害時は消火活動、または救出活動等さまざまな活動が錯綜することが予測されますが、分団の活動を指揮するに当たっては、被災状況、放射性物質や危険物質の保管場所、独居老人などの住まい、消火栓の位置などを明記された所轄地域の震災対策地図をあらかじめ作成し、各分団の指揮者がより的確な指揮をとり、また本部への情報伝達も的確性を確保できるようお願いしたいと思います。

このように、地震対応マニュアルの素案に基づいても、事前に具体的な準備や情報の整理を必要と考えます。今後、各分団、各部とよく対話し、また万が一の備えとして分団内での協議も促し、よりよいものを作成いただきたいと思いますが、消防長のお考えはいかがでしょうか。

以上で私の1回目の質問を終わります。ありがとうございました。