大規模小売店舗立地法に対する市の考え方 平成13年6月12日

平成13年第2回定例会一般質問

大規模小売店舗法に於ける狭山市の考え方

 昨年6月1日、大規模小売店舗立地法、いわゆる大店立地法が施行させました。大店立地法は、旧大店法の周辺小売店舗に対しする利益調整を行う保護的な許認可制度から、基本的に自由な事業展開を保証し公正な競争のための条件整備と、周辺の生活環境の条件の確保が主な目的であり、同法によって大規模店の立地が比較的容易になった とされています。
 昨年以来、狭山市においても同法の関係による大規模店舗立地の動きが出始めているようですが、かかる大きな法改正の中で市の考え方はいかなるものなのかお伺いいたしたいと思います。
 まず、大店立地法が国会において成立する以前、平成7年当時の行政改革委員会の意見書から同法の基本的考え方について見て参りたいと思います。

 平成7年行政改革委員会は規制緩和の推進にに関する意見書と題して70ページにのぼる意見書を当時の村山内閣に提出しました。この意見書は、現在の種々の規制緩和策に連なる、理念と政策を初めて国会機関が体系的に示したものであります。
 これによると分野別規制緩和策は、12分類53項目にわたる膨大なものでありました。
 その基本認識の中で、以下のように論じています。
世界の中の日本という意味とパラダイムシフトとを考え会わせると、今回の構造改革は、明治維新や第2次世界大戦後の改革に匹敵するか、それ以上の大きな社会及び意識の改革を迫るものである。----
 これまでの日本人、仲間、画一、お上依存、大きな政府、横並び、もたれ合い、統制、単一的価値観の閉鎖的和や秩序を中心とする考え方や仕組みから、国際的に開かれた、世界から魅力有ると思われる、小さな政府、個性的、自立、自由、多様な価値観が共存できる方向に転換させる。と主張しています。

 このような議論の中で登場した、大店立地法とは、大きくは規制緩和に拠る自由市場経済の確保という流れの中で設立されたことは明かだと思いますが。
 一方で、さまざまな保護制度のもとに、旧来の経済構造が維持されていた日本経済にとっては、当初グローバルスタンダードではなく、アメリカンスタンダードではないかとか、その国その国に様々な事情があるのだから自由な競争などあり得ないのではないかと言った批判もあったことも事実です。
 私は、国際協調 国際市場経済の健全な発展の為に世界の国々が国際的なルールをもち自由で公正な競争の原理原則を掲げて動き出していることは、今後の世界経済の発展のために必要な事と考えます。
 しかしながら、このような、大きな政策転換のなかで私達狭山市民にも消費行動、事業展開などさまざまな影響があることも事実であると考えますが、ここで市長職務代理者にお伺いします。
 国政レベルの規制緩和の議論が、具体的に現実の問題として地方自治体に現れてきている今日、地域経済の発展を、今後どのようなシナリオの中でお考えになっているのでしょうか、お尋ねいたします。

 さらに、当時の国の行政改革委員会の意見書を見ると以下のような記述がありました。「規制の壁に守られている方が、中にいる人々にとっては居心地が良いのかも知れないが、守りの発想を攻めに転嫁し、壁を破って外に出て自己責任と競争の世界に積極的に参加する、すなわち、市場原理の活用によって、厳しい中にも楽しさや活力や可能性のある世界が開けると考えるべきではないか」--- このような見解は、ごもっとも思うところでありますが、さらに続けますと「蛙は、熱湯に放り込まれれば、鍋から飛び出すが、水から茹であげればそのまま昇天すると言うことである。」という記述がありました。
 私は、保護主義的な閉鎖主義には、断じて反対するところでありますが、国会機関がこのような比喩を使って自らの国民を愚弄するかのような体質からは、さながらリストラクション=建て直し策を「リストラ」と省略し、本来の意味を取り違え、単なる首切りと思っている無能な経営者の顔を想像せずに入られませんでした。

 これまで、必ずしも自らの選択と言うことではなく、国の施策によってさまざまな保護主義的体質の中にあったからと言って、どうして事業者が 茹でがえる などと愚弄を受けなくてはならないのでしょうか。
 今日、競争と自己責任の時代が始まろうとしている中で、行政の使命は、はたして変革をしようとする者達をを傍観するだけでよいのでしょうか。行政は評論家的な無責任主義で良いはずもありません。
 国際社会・国家施策の変革が現実の地域社会に何らかの影響を及ぼそうとしている今日。
 保護主義を守るためでなく、変革を求め立ち上がろうとする、あまたの中小の事業者に対して、やはり行政とは、自由で公正な競争社会を保証する一方で、苦しみを共にし、それぞれの事業者の変革への努力に対して援助の手をさしのべなて行かなければならないと思います。
 そこで市民部長にお尋ねします。特に大店立地法の関係で、中小の小売店舗についてどのような影響を予測し、また情報を提供し、変革への対策を講じていくおつもりでしょうか。

フランス系大型スーパーの立地に対する 市としての対策について

 さて、今回の一般質問の本論に入らせていただきます。
去る5月15日フランス系大規模スーパーより狭山市上奥富地区の工場跡地において開発許可の申請が為されたところです。
 消費者の立場からすれば、購買の選択肢が広がることであり、幕張の1号店に続く町田店など話題性を呼び、好意的関心を持つところであります。しかし一方で、市内の小売店舗にとっては、国際的規模の外資系スーパーの進出は初めてのことであり、さながら狭山市を主戦場として国際経済競争の始まりと言った感もあります。
 平成15年開店希望という卑近な状況でもあり、日本の小売店舗の在り方の真価が問われるような事態ですが、市として自由で公正な競争を保証し、健全な地域経済と商業全体の発展の為に現実的施策としては、いかなるお考えをお持ちでしょうか。この点について市民部長にお尋ねいたします。

 ところで、昨日、狭山商工会議所より市長職務代理者と市議会議長宛に陳情書が提出されました。
 陳情書によると、出店については、十分多角的な検討を行い出店に関する判断をして欲しい。とあり、理由として工業系事業所の輸送の幹道である国道16号の交通渋滞の懸念。そして、出店予定地の隣地にある狭山消防署の渋滞による出動時の影響の懸念。
 さらに、中心市街地活性化法の指定区域の北東に隣接していることから、中心市街地への集客の弊害や、共存共栄を計ることは物理的に不可能という懸念が表明されています。
 それぞれについて、もっともな意見いえると思いますが、特に国道16号の渋滞問題については、大店立地法に基づいても市として埼玉県に対して意見の表明を求められるところであります。

 フランス系大規模スーパーから提出された交通計画準備検討書によると、大店立地法の定めるところによる「店舗面積」について、1万6千平米と明記されています。この点について、当初建築面積が2万5千平米と伝えられたこともあり、数値に誤りがあるのではないかと言う指摘を聞いております。
 大店立地法における「店舗面積」とは、どういう概念なのかともうしますと、経済産業省による指針や埼玉県大店立地法事務処理要項で明確に規定されており、建築床面積の中から通路や駐車場、飲食店等を除いた基本的な小売りスペースの面積を指しています。
 この「店舗面積」と言う数値は、そのまま駐車場の必要台数の算出に基礎的数値として用いれられますし、さらにそれは、交通影響調査のための材料となる数値であります。
 その辺についてフランス系大規模店舗の提出している1万6千平米という数値は、どのような根拠の物なのか、また、経済産業省や県の基準に正確に合致している物なのか。開発行為の市の許認可事務や大店立地法も会わせて今後とも継続的に行われる交通協議などで、国道16号の渋滞問題などを検討する基礎的かつ重大な問題でありますので、是非ともこの場で窓口となった市民部長に明確なご説明をお願いいたします。

 その上で、環境部長にお尋ねいたします。既に開発行為許可申請事務としても、交通協議が開始されていると聞いていますが、国道16号の渋滞問題については、市としてどのような姿勢で臨むおつもりでしょうか、町田市の担当課によると、オープンから3ヶ月間、現在でも隣接したアウトレットモールと併せて土曜、日曜は、国道16号の渋滞を起こしていると聞きました。
 狭山市の場合は、消防本部の隣接地と言うこともあり災害は、スーパーのオープンや土曜・日曜をなど配慮してはくれないことは言うまでもありません。
 町田市以上に重大な対策が必然的に必要になることは火を見るよりも明らかと言わなければなりません。
 既に申し上げてきた、大店立地法の法の精神からしても、生活環境の保証、近隣の事業環境の保証のためには開発者側に、必要かつ十分な要求を徹底的にしていかなければならないと考えますが、基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 特に国道16号の渋滞回避と車のさばき方、大規模スーパー側の提出している、土地利用計画書における誘導路が適切なのか道なのか、消防署脇の新設道路の通行を土曜日曜などの混雑時も含め、確保されているのか道なのか、事業者側にたいして徹底的に指導を行い、必要な要求を市民、生活者の立場から、また国道16号を基幹道路として活用している市内の事業者の立場から、ねばり強く行っていただきたいと考えますがいかがでしょうか。

 さらに、迂回路対策に関係して、建設部長にお尋ねいたします。スーパー側からは、川越方面からの右折進入について一切行わない意向もあったかのように伺いましたが、右折可能の交差点であり、隣接住宅の住民も居ますので、実際には右折進入禁止は出来きれないとの見方が妥当かも知れません。いずれにせよ右折渋滞も起こり迂回車両の発生は、不可避と考えられます。
 そこで、いくつかの点についてお尋ねいたします。すでに、地元の先輩議員が自治会住民と共に取り組まれております、大規模店の周回道路とその適切な位置づけについては私も意見を同じくするところでありますが。
 まず、迂回道路として一番考えられる入間第二用水添いの市道については、かねてより一般の迂回車両の発生が多く出口の狭山市民会館南西側の交差点は交通事故の発生も伝えられています。
 また市民会館南側には水路がありますが、安全確保のために水路の暗渠化について、近隣住民からも要望があります。出口の交差点へ信号の設置など交通安全対策も併せて改善していただきたいと思います。
 また、旧青物市場前の一方通行道路についてですが、地元自治会からは、迂回路として侵入できないように策を講じて欲しい旨要望もあります、時間制限も会わせて現在交通規制が敷かれていますので、スーパー来訪客だけを実質規制することは困難と思われます。迂回車両の進入が予測されるのであれば、道路の拡幅と歩道の確保をお願いしたいと思います。

 これらの問題については、市として取り組んでいただきたい事もありますが、特に隣接した部分については、むしろ開発者側の責任も明確にし応分の負担を求めていくことも重要と考えます、建設部長のお考えはいかがでしょうか。
 外資系スーパーにつきましては、まだまだ不確定な材料も多く現時点でそのための周辺整備に市として多大なる資金を投入できる状況とは考えておりませんが、求める部分についてははっきりと求め、関連する必要な安全施策については事故の発生する前に的確な対策を講じていただきたいと考えます。


中心市街地活性化法指定区域との関係について

 先に触れました、狭山商工会議所の陳情書にもありますが、中心市街地活性化法の指定区域との関係について
は、大店立地法の法の精神からして中心市街活性化法の指定区域とは言え、商業上の影響を理由に出店の調整をすることは出来ないものと考えます。今後フランス系大規模スーパー側の地域への協力の在り方、事業展開の状況を見極めるなかで、場合によっては指定区域との関係を再検討しなければならないと思います。
 私は、先に申し上げたとおり、幕張店、町田店と双方を視察いたしました。私が訪れたごく日常的な曜日で見る限りでは、必ずしも爆発的な集客が続いているとはいえず、ずいぶんと落ち着いていると言う感がありました。さらに、うたい文句の量り売りについても、幕張、町田の両店とも、既に日本のありきたりなスーパーと変わらないパック販売に移行しており、その変わり身の早さから考えるところ、日本の消費行動への定着は不確定材料があり現時点で何かを断じるのは危険と考えます。
 しかし、今後、具体的出店となってくる段階から、その影響調査をきちんと行い、またスーパー側の出方も十分に検証しながら、特に中心市街地などのまちづくりに関連する部分については、時間を掛けて状況を把握し対策を講じるべきと考えます。
 この点について、市民部長のお考えをお尋ねします。

 最期に、私は現在一企業人として 狭山商工会議所青年部に在籍しておりますが、フランス系大規模店舗の出店の動きについて 先日 同会員に意見をお尋ねいたしました。そのとき寄せられた意見は、やはり国道16号の渋滞の懸念、近隣住民の生活環境の整備等さまざまなでありましたが、その中でも基本的に歓迎と答えた者は、全体の58% 慎重論が37% この慎重論は環境整備をきちんと行うことを求める意見であり、出店自体について大店立地法下で調整できないことを理解してす。
反対論は5.2%と言う状況でした。
 そのとき ある若手事業者が、世に進化論を紹介した
ダーウィンの「種の起源」の一説を引用し、以下のように自説を説いたのです。
「生き残る者は、最も強い者でも 最も賢い者でもありません、変化に最も敏感な者が生き残るのである」と
 私達の狭山市には、このような想いをもって、この困難な時代に事業に取り組んでいる 中小の若手事業者が少なからず居ることを先後に申し上げて、私からの一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
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